ずっと気になっていた映画「そして父になる」を観ました。映画の内容をまったく知らずに観たので、あんな内容だとは知らず、いろいろと考えさせられました。
映画を観た後で、家族で映画の感想を話合うことで、夫婦のお互いの考えをあらためて確認することが出来ました。
感想にはネタバレもあるので、今後観る予定で内容を知りたくない方は読まない方が良いと思います。
◆「そして父になる」のあらすじ
福山雅治演じる主人公「野々村良多」と尾野真千子演じる妻「みどり」の間には6歳の一人息子「慶多」がいて、エリートサラリーマンである野々村の家庭は幸せに暮らしていました。
しかし、ある日みどりが子どもを産んだ産院から電話がかかってきて、出産直後に病院が子どもを取り違えてしまったことを知ります。その後、本当の自分たちの子どもを育てている斉木(リリー・フランキー)の夫婦と実の子どもに会い、子どもを交換するかどうかという話し合いをすることになります。
◆大事なのは「血」か?
この物語の一番の焦点は「血」です。主人公は6年間自分の子どもではない子どもを育てたのですが、取り違いがわかったことで子どもの交換をすることにします。奥さんの方は6年も育てたのだから、自分の子どもという認識が強いのですが、父親の方は血が大切という描かれかたをしていました。
この映画を観ると、主人公は仕事で忙しくあまり子どもと積極的に遊んであげていない気がします。そして、育児は基本的に奥さんに任せっきり。奥さんは6年間苦労して子どもを育ててきたでしょうから、6年の年月は血よりも濃くなって自分の子どもと認識するのだと思いますが、育児に積極的に参加しないで、仕事ばかりしていると育てた実感がないから「血」の方を大切にしてしまうのではないでしょうか?
リリー・フランキーが演じている家庭は、貧しくても楽しく明るく、子どもとの時間を大切にして暮らしていて、「血よりも時間だよ」と子どもと一緒にいた時間の方が大切だと言っていました。
◆「血」か「時間」か?
映画を観終わった後に夫婦で話合った結果は、二人とも「血」よりも「時間」を取りました。ぼくは、積極的に育児にも家事にも参加していますし、やっぱり今まで育ててきた苦労や楽しさが思い出されるので、いまさら本当の子どもは別にいますと言われてもほっといてくれという感じです。
映画では結局、子どもを交換することにしましたが、それでも最後には今まで育てた慶多のことを愛していた自分に気が付き、主人公である父親は慶多に素直に自分の心を打ち明けます。
慶多は素直には受け入れないですが、それは子どもの立場に立ったらそうでしょう。急に自分の親がよそよそしくなって、別の家に行って帰ってくるななんて言われたら、心に傷を持つことになると思います。
◆子どもが成長したら?
映画の中にも少し出てきましたが、子どもが成長していき、だんだん自分と似ていない顔になり、自分と違う性格になったときに後悔するかもしれないという話がありました。
しかし、それはあくまで親の心の問題であり、一緒に暮らしていけば性格はだんだんと親に似てくると思います。自分の子どもだからって完全に自分に似るわけではないですし、それは育て方次第なんじゃないでしょうか?
顔が違うのはもう仕方がないことですが、血がつながっていなくても食事の好みや趣味が似てくれば、それはそれでかわいいと思います。
◆環境が子どもを育てると思う
育児の本を読んでいると、子どもを育てるのは環境であり、その環境を作る親にかかっているんだとわかってきます。もちろん学習能力や運動能力の基礎は遺伝子にも左右されるところがあると思いますが、それは個人の個性の1つであり、能力が高いことが幸せに直結しているとは思いません。
最終的に子どもに幸せになってもらいたいと願うのであれば、そんなことよりも教えるべき大切なことがあるのだと思っています。だから、血よりも時間が大切なんだと考えました。
◆将来片親→再婚したら
将来、どちらかがいなくなってしまい、再婚して相手に連れ子がいて、連れ子を育てるということを考えた場合、血なんて関係なくなると思います。友達が奥さんの連れ子とすごく良い関係を築いているのを見た時に、血なんて関係ないんだと思いました。血がつながっていても憎しみあっている人もいますし。
◆まとめ
結果、我が家では、取り違えとなってもそのまま育てるという結論になりました。