先日読んだ「あかちゃんにおむつはいらない」というおむつなし育児を勧める本を読んだのですが、その中に井深大さんのことが紹介されていました。
井深大さんといえば、ソニーの創業者として有名ですが、実は、幼児教育にも関心を持っていて、当時まだ研究が進んでいなかった幼児教育の分野の研究者としても知られています。
この本は、そんな井深大さんの言葉を「幼児教育語録」としてまとめた本です。
・「井深大の幼児教育語録」
井深さんは言わずと知れたソニーの創業者ですが、人づくりとして豊かな心と頭脳をもった子どもを育てるためには。学校教育では限界があり、学校に入る以前の時期こそが重要なのだと訴え、幼児教育の研究にも熱心でした。
井深さんが幼児教育を始めた当時は「言葉をしゃべれない子どもに教育なんて無理」という概念が多かったそうですが、今では「胎教」と言ってお腹の中にいるときから、胎児でも外の世界の刺激を受けて成長していることがわかったりして、井深さんが幼児教育でも先進的な考えを持っていた人ということがわかります。
この本を編集した「多湖」さんという人の名前。この人は、井深さんから幼児開発協会の理事長を引き継いだ方ですが、「どっかで見たことある名前だな」と思っていたら、有名なベストセラー「頭の体操」シリーズの著者の方でした。
特徴のある表紙の絵は、学校の図書館などで見たことがある人がいるかもしれません。
また、大ヒットした有名な推理ゲーム「レイトン教授」シリーズの監修をしていることでも有名な先生です。
この本自体は、1998年に発行されたものですが、研究内容は古いものが多く、内容的にも「すでに知っている」「今さら」と思うような内容もありました。しかし、いつの時代にも生かせるような幼児教育のヒントも多く、子育て中の身としては、勉強になりました。
・子どもにさせたいことを親がする
子どもはくり返しすることが大好きで、繰り返すことでそのことを覚えていくようになります。そのため、子どもに何かさせたいと思ったら、まず親が子どもにくり返しお手本を見せることが重要です。
「子どもが本を読まないんです」と相談があったという話しが載っていましたが、そういう親は大抵、親自身が本を読んでいないことが多かったそうで、何事も子どもにさせたいと思ったらまず親自身がその行動を示して見せることが重要です。
・しつけは小さなうちから
子どもに「あいさつをしなさい」「片付けをしなさい」というのであれば、親が片付けをしている姿やあいさつをしている姿を見せることが大切で、それは「◯歳になったから始める」のではなく、生まれたときから意識して行動して子どもに見せると良いそうです。
しつけというと、きびしいスパルタなイメージがありますが、子どもが小さなうちから親が見せることで、子どもが自然に覚えることもしつけです。
「◯◯しなさい」というより、自分が手本を見せることで、子どもにさせたいことを覚えさせるというのは、自分を律することが出来て、良い育児方法ですね。
・子どもは丸暗記が得意
子どもは丸暗記が得意なので、まずは、そのまますべて暗記させてしまうという教育方法でも良いそうです。学校教育では丸暗記はいけないと言われていますが、幼児はそのまま覚えるのが得意なので、一度そのまま覚えてから応用した使い方を自分で学んでいけば良いとのことです。
・教えられるのではなく「覚える」
子どもの頭脳の発達には言葉の学習がもっとも関係があり、生後8ヶ月から3歳までのあいだに、一生使う言葉の80%を覚えてしまい、それは「教えられる」のではなく「覚える」のです。
そう思うと子どもに変なことを言えませんね。
良いことや、悪いことの区別がなく、すべて丸暗記して覚えてしまうので、子どもには親が手本となるような行動を心がける必要があると、あらためて感じました。
・まとめ
内容的にもわかりやすいですし、子どもの教育を考える基礎を頭に入れておくという感じで、子どもが生まれたらぜひ一度読んでみると良い本だと思いました。
この本のことを頭に入れておくと、子どもの教育や自分の生活を正すことに役に立ちそうです。